メキシコ Locasの珍道中 11日目

11日目 パレンケ(Palenque)


オアハカ発のADOバスに揺られること約14時間、5時にビジャエルモサ(Villahermosa)着。ここからパレンケ遺跡最寄の街、パレンケへ向かいます。同じくADOバスでパレンケまでは約2時間半、遺跡まではタクシーで約15分。うっそうとした山道を進み、併設の博物館を少し過ぎたところに、パレンケ遺跡の入口があります。

今まで、アステカ文明やテオティカン文明、サポテカ文明などの遺跡を訪れてきましたが、初のマヤ文明遺跡の到着です!

<パレンケ遺跡>
18世紀に発見されたマヤ文明の遺跡。1952年に「碑文の神殿」に地下室があることを確認、そこに安置されていた石棺から7世紀に在位した偉大なパカル王が発見されました。パカル王に被せられた翡翠の仮面はあまりにも有名、現在はメキシコシティのメキシコ国立人類学博物館に収蔵されています。また、王墓の発見は、それまで中央アメリカのピラミッドは神殿など祭祀としての役割のみ、という定説を覆した画期的なものでした。うっそとしたジャングルに囲まれ、未発掘のエリアや修復中の遺構もあり未だ謎に満ちた遺跡でもあります。1987年に世界遺産に登録されました。


チケット売り場を過ぎ、最初に見えてくるのは「頭蓋骨の神殿」。柱の根本にうさぎの頭蓋骨のレリーフがあるユニークな神殿。ですが、写真を撮り忘れてしまったので、全景のみ。


「頭蓋骨の神殿」全景

「頭蓋骨の神殿」の向かって左側には連なるように「神殿13」が建っています。なんと1993年にこの「神殿13」から「赤の女王」の墓室が発見されたばかり。パレンケ遺跡自体がどのように建設されたか不明であったりと多くの謎が残されています。


「神殿13」入口


内部は湿気がこもる。切妻式に精巧に組まれた壁


「赤の女王」の墓室。石室内部は“生命の象徴”とされる赤い粉で塗られる



「頭蓋骨の神殿」「神殿13」に連なり「碑文の神殿」が建ちます。パレンケ最盛期の675年に パカル王によって着工、王の死後692年に息子のチャン・バールム王によって完成されたと言われています。最上部には碑文は書かれた石版が置かれているため、この名前がつきました。神殿へは立ち入り禁止となっていて、発見された埋葬品はメキシコ国立人類学博物館に収蔵されています。私たちは先にメキシコシティで展示を見ていたため、遺物の写真はその時に撮影したものです。遺跡併設の博物館でもレプリカを見ることができるそうです。


「碑文の神殿」パカル王の墓室が発見される

パカル王の翡翠の仮面(メキシコ人類学博物館展示)

遺跡内のほぼ中央に位置する、最も立派な造りが王が住んだと言われる「宮殿」。パカル王の時代に着工され、その後120年に渡り増築されたと言われています。建物それぞれがアーケードや地下通路で繋がる複雑な設計。なんと、トイレやスチームバスもあったそう!
最大の特徴は、天体観測を目的とした高さ約15m、4階建ての塔があるということ。東西南北を表す壁面を持ち、冬至の日にはこの塔から太陽が「碑文の神殿」にちょうど沈むのが見えるというから、当時の高度な技術が伺えます。


4つある中庭の一つ

天体観測を行ったと言われる塔

美しいアーチの回廊

宮殿内にあるパカル王のレリーフ

宮殿からは石造りの水路を見ることができる

宮殿より水路の向こうには「太陽の神殿」があります。上部の屋根の装飾は保存状態が良く細部が観察できます。内部は音が反響するエコールームになっているので、手を叩くと独特の残響を味わえます。


「太陽の神殿」
内部に太陽のシンボルとされた盾と槍からなる戦いの神は彫られている


「十字架の神殿」
頂上部からは遺跡をよく見渡せる写真スポット

「十字架の神殿」頂部にある部屋
向かって右手にはたばこを吸うような仕草の人物が彫られる

「葉の十字架の神殿」
中央の入口の両脇にある窓は人間の首とその下の三角はトウモロコシの葉を表しているという

「葉の十字架の神殿」内部

「葉の十字架の神殿」内部に掘られた“太陽神”

BWバージョン
“世界樹”と言われるトウモロコシの葉で表現されたもの
これが十字架に見えることから葉の十字架と名前が付けられた

十字グループと呼ばれるエリアにある「太陽の神殿」「十字架の神殿」「葉の十字架の神殿」はどれも内部見学が可能ですが、頂上部への階段はかなり急な箇所もあるので、歩きやすい服装は必須です。また、水分補給など暑さ対策もしっかりと!

遺跡敷地内ではお土産を売る人々を目にします。ジャングルに住む動物の人形やマヤカレンダーを象った土製のペンダントなど、街ではなかなか目にしないものもあります。


マヤ文字が入った土製のペンダント
家族や友人のお土産にマヤ語で書かれた誕生月のペンダントを購入

おおよそ3~4時間で遺跡を一周できます。出口は博物館方面へ向かいますが、途中、まだ修復中や発掘中の遺跡を過ぎていきます。

宮殿や神殿とか異なる建築跡
周辺は都市としての機能も持っていた

小川が流れるジャングルを少し歩き出口へ

高度な技術を持つマヤ文明の遺跡群に圧倒されました。ここはぜひ博物館も立ち寄りたかったのですが、あいにく月曜は休館ということで叶わずでした・・・。

帰りはビジャエルモサまでのシャトルバスがちょうどあったのでそれに乗車。バスターミナルに着き、次の目的地のメリダ(Merida)行きの時刻表をチェックします。あいにく21時発のバスしかなく、前日の車中泊の疲れを取るために、ホテルにチェックイン。街でお昼を食べたり、両替をしたりなど準備を整え、次の移動に備えます。



ビジャエルモサの街

メキシコにも定食があります、それがこれコミーダ・コリーダ(Comida Corrida)
ランチプレートにサラダやスープ、デザートがつきます

パストール(Pastor)
ケバブのような食べ物で肉はトルティーヤやパンに挟む

パストールをパンに挟んだものはトルタス(Tortas)と言う
お持ち帰りでもサルサをつけてくれます♪

ホテルで小休憩をし、バスターミナルへ向かいます。21時発のメリダ行きに乗車、約9時間30分の道程です。車中泊もさすがに慣れてきました。途中、目的地でもあるウシュマルを通り過ぎますが、アクセスの良さから、メリダを拠点に後で訪れる予定です。


※この記事は2011年11月7日に訪問した際の記録です。

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