メキシコ Locasの珍道中 12日目

12日目 メリダ(Merida)、ウシュマル(Uxmal)


パレンケ、ビジャエルモサのあるチアパス州(Chiapas)から夜行バスでカンペチェ州(Campeche)を越えること約8時間でユカタン州(Yucatan)のメリダに到着。ここユカタン州にはカンクン(Cancun)を始めイスラ・ムヘーレス(Isla Mujeres)など人気のビーチリゾートがあり、欧米に人気のエリアです。また、チチェン・イツァー(Chichen Itza)に代表されるユカタン文明遺跡も見どころ。
私たちはメリダを拠点に2泊し、ウシュマルとチチェン・イツァーを巡ることにしました。

メリダのバスターミナルに着いたのは5:45。予定より少し早い到着だったため、明日に行く予定のチチェン・イツァー行きのバスチケットも先に購入。今日行くウシュマル行きのバスチケットは9時発をゲットできました。それまで時間があるので、メリダの街を散策することに。

ユカタン州の州都であるメリダはかつて、スペインによる先住民カトリック改宗の拠点となっていました。コロニアル建築様式の街並みはとても美しく、街の中央にあるカテドラル(教会)はユカタン半島最大規模を誇ります。おしゃれなカフェも点在し、散策するにはおすすめの街です。

美しいメリダの街並み

メキシコの道路にはたまにこんなかわいい細工も

街の中心には公園があり、朝から人々が集う



Cafe Lucia という雰囲気のよいカフェで朝食を終え、カテドラルへ。


ソカロの前に建つカテドラル

祭壇には有名な火膨れのキリスト像

スペインのアスレホを彷彿とさせる美しいタイル


そろそろバス出発時間が近づいたので、バスターミナルへ。メリダからウシュマルへはATSという会社の2等バスで向かいます(カンペチェ方面行き)。
チケットを受付で見せると、「少々お待ちください」と言われ、そのまま出発時間の9時を少し過ぎるまで待っていましたが、不安になり、もう一度受付カウンターへ。すると、信じられないことに、もうバスは出発してしまい、次の便になってしまうとのこと!待てというから彼女の前でずっと待っていたのに、バスは出発してしまったとは、さすがに納得ができない!少々のスペイン語を駆使してましたが、英語をしゃべれる別の係員が出てきて、チケットの半額で次の10:40発に乗車できるとのこと。何が原因なのか分からないモヤモヤは残りましたが、もしかしたら、完璧なスペイン語を話せない私たちにも落ち度があったかも、と思い、素直に次のバスのチケットを購入。このようなどうすることもできない時は、嫌な思い出を作るよりは、先のことを考えるのが優先!

やっと来たバスに乗り、約1時間30分で到着。遺跡は今まで見てきた北部の遺跡よりも整備がとても行き届いていて、ドロ臭い感じの遺跡が好きな私としてはきれいすぎる印象。大型バスで来ている欧米系のツアーも多く、リゾート地の近くにある遺跡ということを実感。ガイドを頼むこともできますが、日本語対応はないので、事前に見どころをチェックしておくことをお勧めします。


ウシュマル入口
鬱蒼としたジャングルの中にある


<ウシュマル遺跡>
7世紀に作られたチチェン・イツァーと並ぶマヤ文明を代表する遺跡の一つ。高さ32mのグラン・ピラミッドの周囲には尼僧院など祭祀的役割の建造物が残り、雨の神「チャック」を崇拝していました。中心地より外には住居として使用された遺構も発見されていて、都市としての機能もあったと言われています。
7世紀頃に創建されたウシュマルの特徴的な建築様式は「プウク様式」と言われ、彫刻を施した石を組み合わせた複雑なモザイクを見ることができます。


ウシュマル遺跡入口



レストランや売店が並ぶゲートをくぐると、すぐに遺跡敷地内に入ります。
まず目に入ってくるのは、「魔法使いのピラミッド」(Piramide del Adivino)。小人が笛を吹きながら一夜にして建てた、という伝説から名前が付きました。内部には4つの神殿が隠されていて、そのうちの一つから蛇の口から人の顔が出ている石彫りが発見されたとのこと。「ウシュマルの女王」と呼ばれ、メキシコシティの国立人類学博物館に収蔵されています。

「魔法使いのピラミッド」
(裏側/遺跡入口から撮影)


「魔法使いのピラミッド」
(表側/「尼僧院」側から撮影)


敷地内は巨大なイグアナがたくさん。

近くまで寄っても逃げない

日本ではお目にかかれないハキアリも発見!

イグアナと遺跡のショット!


「魔法使いのピラミッド」の向かいには「尼僧院」(Cuadángulo de las Monjas)が建っています。
中央にある庭を囲む建物はそれぞれ部屋を持っていることから、尼僧院と呼ばれていますが、宮殿という見解も。そういえば、パレンケ遺跡の宮殿も中庭がある造りでした。


中庭のから
プウク様式の複雑なモザイクが見られる


「マヤ・アーチ」の入口


蛇神「ククルカン」
トルテカ文化の影響も受けていた


「尼僧院」と「総督の宮殿」(Palacio del Gobernador)の間に「球戯場」(Juego de pelota)があります。この遺構の見どころは、ゴールである石の輪。ここで行われたのはゲームというより、宗教的儀式の要素が高かった行事と言われています。

「球戯場」は中央の広場と両脇の遺構で成る


“ゴール”の石の輪


「球戯場」を抜けると、マヤ古典期において最も美しいとされる遺構、「総督の宮殿」があります。実際はどのような役割を持ったのかはわかっておらず、貴族の館とも言われています。

「総督の宮殿」
両脇にマヤ・アーチが見える


正面には双頭のジャガー像


見事なプウク様式


次は「グラン・ピラミッド」(La Gran Pirámide)へ。
高さ約32mのこの神殿は登ることができ、頂上からは遺跡全体を見渡すことができます。


「グラン・ピラミッド」


頂上からは遺跡全体が一望できる
左:尼僧院 右:魔法使いのピラミッド


上部に彫られたククルカン


幾何学模様のレリーフ


鬱蒼としたジャングルが遺跡を囲む


頂上まではかなり急な階段が続く


グラン・ピラミッドの頂上部への登頂はかなり急な階段が続くので、要注意です。階段幅も短く、手すりはありません。
グラン・ピラミッドの西には「鳩の家」(El Palomar)と呼ばれる遺構があります。
鳩の巣に似た格子窓がついた上部を持つことから名前がついたそうです。


「鳩の家」
何に使われた建物か不明とのこと


ウシュマル遺跡はとても見応えのある素晴らしい遺跡なのですが、漆喰による保存が多く目立った気がします。また、ケツァルやククルカンなど神々のレリーフは意外に小さく作られているので、事前にどこの場所にあるのか調べていくと探しやすいかと思います。出土した遺物はメリダのユカタン人類学博物館やメキシコシティの国立人類学博物館に展示されているので、合わせて見学するのがオススメです。

約2時間30分の見学後、15時発のバスでメリダへ戻ります。
夕方にメリダに着き、ホテルで荷物を整え、メリダ市街観光へ。


サン・フアン教会(Iglesia de San Juan)


黄色のアーチが珍しい


ゆる~い感じの注意書き



昼に行ったカテドラルの近くにある、州庁舎(Palacia de Gobierno)へ。
入口には警備員がいますが、パスポートの提示は必要ありません。

州庁舎 中庭


2階にあるギャラリーは見応えあり


27のマヤ文明をテーマとした壁画が展示される、中でも有名なのが
「トウモロコシからの人類の誕生」



火曜日はサンティアゴ公園でライブがあるというのを教えてもらい、夕食がてら向かうことに。

公園周辺にはカジュアルなお店が並ぶ


ライムが効いた鶏肉のスープ


もちろんタコスも


お腹を満たし、明日のチチェン・イツァー移動に備えて早めにホテルへ。



~おまけ~
メリダの街は碁盤の目のようになっていて、旅行者にもわかりやすい街です。
街を歩いていると、たまに見つけるのが、可愛らしい絵柄の入ったタイル。
これらは、街がつくられた当時、まだ文字が読めなかった人々にもわかりやすいように作られたものだそうです。散策の際は、ぜひ探してみてください♪





※この記事は2011年11月8日に訪問した際の記録です。


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